今まで、コレステロール値が正常でも動脈硬化が進み心筋梗塞を起こした人がいます。
ためしてガッテンによると、心筋梗塞を起こした人の約49%の人が実際の健康診断のLDL(悪玉)コレステロールが正常値だったと言う結果が出ていると発表していました。
つまり、血液検査でコレステロール値が正常な人でも、動脈硬化が進んでいる可能性があると言うことですね。
これは由々しき問題です。では、なぜこんなことが起こるのでしょうか?
それは、第3のコレステロールと言われる「レムナントコレステロール」が原因です。
「レムナントコレステロール」とは
レムナントコレステロールとは、悪玉でも善玉でもない第3のコレステロールで、群馬大学医学部研究員 中嶋克行さんが発見した新たなコレステロールです。
中嶋さんは、今まで抽出ができなかった「レムナントコレステロール」の抽出に成功し、論文を発表。ザック賞と言う栄誉ある賞を受賞しました。
動脈硬化を起こしたウサギの血管を見ると、血管の壁にコレステロールの塊(プラーク)があり、その塊の中の悪玉コレステロールの割合は全体の30%、残りの70%はレムナントコレステロールでした。
なんとレムナントコレステロールが全体の7割をしめていたことが分かりました。
このことは、レムナントコレステロールが動脈硬化の主な原因であることを示していると言います。
マクロファージが取り込むレムナントコレステロールは悪玉の4倍
コレステロールは細胞膜を造る材料になり、大切な役割をしています。
細胞膜の中にあるコレステロールは次第に古くなると回収され、また新しいコレステロールが調達されます。
この古くなって回収されるコレステロールが善玉で、新たに調達される新しいコレステロールが悪玉です。
しかし、調達される新しいコレステロールが多すぎると血管の中に置いてきぼりになってしまいます。不法投棄ですね(笑
この置いてきぼりになった悪玉コレステロールを食べるのがマクロファージです。
マクロファージは、置いてきぼりの悪玉コレステロールが大好きなのでどんどん食べてしまいますが、食べ過ぎると死んでしまいます。
死んでしまったマクロファージが溜まったものがプラークとなり、血管内を細くし詰まらせてしまうのです。
これが、動脈硬化やプラークと言うコブができた状態です。
このマクロファージは、驚くことに、悪玉よりレムナントを4倍も取り込むことが分かっています。
マクロファージは、レムナントが大好物なんですね。どんどん食べて、どんどん死んで、どんどん動脈硬化を加速させているわけです。
このレムナントの自分の数値、知りたいですよね。
レムナントの数値の出し方
実は、総コレステロールの善玉と悪玉以外の数値のほとんどがレムナントだと言います。
つまり、総コレステロールから善玉と悪玉を引いた数値がレムナントです。
総コレステロール - 善玉 - 悪玉 = レムナント
私の半年前の検査結果では、
総コレステロール 177
善玉コレステロール 45.8
悪玉コレステロール 74
でしたから、レムナントコレステロールは「57.2」と言うことになります。
(総合177 - 善玉45.8 - 悪玉74 = 57.2)
総悪玉コレステロールについて
悪玉とレムナントを足した数値が「総悪玉コレステロール値」になります。
レムナントの数値の求め方は分かりましたが、「総悪玉コレステロール」も簡単に求めることができます。
総コレステロール - 善玉(HDL)コレステロール = 総悪玉コレステロール
私の場合、「131.2」と言う結果になりました。
(総コレステロール177 - 善玉45.8 = 総悪玉131.2)
つまり、すべてのコレステロールから善玉を引いた残りが「総悪玉」と言うことですね。
総悪玉コレステロールには基準があり、150以上が「やや危険」、170以上が「危険」と言うことです。
150までが正常範囲ですから、私の場合、随分と改善していることになります。
レムナントの数値を出すまでは、ドキドキしていました。なにしろ、以前は、悪玉が200以上あり、中性脂肪も350もありましたから^^;
(※この数値は悪い時のものではなく改善途中のものです)
悪玉と中性脂肪が下がったのは、薬と青魚の成分(DHA・EPAサプリメント)と運動のおかげだと思っています。
レムナントを下げる食事
レムナントを下げる食事は、悪玉コレステロールを下げる食事とまったく同じです。
レムナントは食事によって上がる傾向にありますから、肉中心の食生活を魚中心の食生活に代え、適度な運動を取り入れると下げることができます。
特に、青魚の成分であるEPAには、レムナントを抑える働きがあるそうです。青魚の中でも特にサバがEPAの含有量が高く、サバは積極的に食べたい魚です。
レムナントを下げるには、食事と運動で適切な体重をキープすることが大切です。